投稿日 2019.11.25 更新日 2023.05.23

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ようこそ鈴鹿セブンマウンテンへ!|深掘り登山ガイド 鈴鹿山脈 #01

東海地方の登山者に人気の鈴鹿山脈は、南北に60kmも連なる大きな山域です。随所に露出する奇岩や、花の百名山にも選ばれているほど豊かな高山植物など見所も盛りだくさん。その鈴鹿の魅力を中京圏以外の登山者にも広めたいと手を上げてくれたのが地元に住むYAMAPユーザーの山本都紀さん。地元民ならではの温泉やグルメ情報も特別に教えてくれました。今度の休みは鈴鹿登山で決まりですね!

目次

鈴鹿山脈ってどんな山域なの?

鈴鹿(すずか)山脈は三重県にあります。三重県?? もしかしたら位置があやふやな方もいるかもしれないので、簡単に三重県について。三重県は名古屋などと同じ東海地方にあります。三重と聞いてピンと来ない人も「伊勢神宮」や「なばなの里」「ナガシマスパーランド」のある県と言えば、あ~!と思い浮かぶのではないでしょうか?
鈴鹿は、その三重県の北部に位置する山域。標高1,000m前後の山々が並ぶこのエリアは、気軽に登れる山が多く、季節を問わず登山者に愛されています。

その鈴鹿の中でも特に人気なのが、「鈴鹿セブンマウンテン」と呼ばれる代表的な7つの山。
一番有名なのが、日本二百名山の「御在所岳」。そして花の百名山として知られる「藤原岳」。他に「鎌ヶ岳」「竜ヶ岳」「雨乞岳」「入道ヶ岳」「釈迦ヶ岳」の7座です。

鈴鹿セブンマウンテンをご紹介

まずは、鈴鹿セブンマウンテンの7座について!それぞれの山の自己紹介から始めてみますね。

御在所岳(ございしょだけ)


私がまず「鈴鹿の山に連れてって」と頼まれたらここに連れていきます!理由はバラエティに富んだ景色が楽しめて、もしも疲れたらロープウェイを使って楽々下山もできるから。
御在所岳は標高1,212m。日本二百名山にも選定されて、登山道は中道・裏道・表道の代表的なルートの他にも、バリエーションルートの本谷ルートなどバラエティに富んでいます。そして花崗岩の浸食により現れた「地蔵岩」「おばれ岩」「ゆるぎ岩」など奇岩・巨岩が楽しめます。また、春にはアカヤシオのピンク色の花が山肌を染め、秋には紅葉が楽しめるんです。
ロープウエイ駅もあるので観光客も多く、山頂駅のレストランの「カレーうどん」は知る人ぞ知る御在所岳の名物なんですよ。
御在所岳についてもっと詳しく知りたい方は深掘り登山ガイド 鈴鹿 #02 御在所岳

藤原岳(ふじわらだけ)


標高1,144m。セブンマウンテンの中では一番北に位置していて「花の百名山」に選定されています。福寿草の群生地としても知られていて早春の時期は観光バスツアーも運行されるほど、たくさんの人で賑わいます。シーズン中の週末はとても混雑するので心して臨んでくださいね。お花の宝庫、バリエーションルートの孫太尾根も人気です。かつてスキー場もあった山頂では冬にはそり遊びも楽しめます。ヒップそりやそりを担いで登る人の姿も多くみられます。避難小屋にはトイレもあり冬季も利用できるのが嬉しいですね。
藤原岳についてもっと詳しく知りたい方は深掘り登山ガイド 鈴鹿 #03 藤原岳

鎌ヶ岳(かまがたけ)


鎌ヶ岳は標高1,161m。槍ヶ岳にも似た鋭く尖った山容は御在所ロープウェイからも御在所岳からもよく見えます。登山道は武平峠(ぶへいとうげ)からのルートが代表的。ほんの一時間ほどで山頂です。
足に自信のある人は御在所岳から武平峠を経由する周回ルートで4時間半程度のロングコースを楽しむのも良いですね。宮妻峡キャンプ場から水沢峠経由鎌尾根を通るルートも上級者向けでおすすめです。山頂付近はガレ場もあり急登です。

竜ヶ岳(りゅうがたけ)


鈴鹿山脈の中ほどに位置する標高1,099mの山です。実は鈴鹿セブンの中でも私の一番お気に入りの山。山頂はクマザサに覆われていてともて女性的でなだらかな山容です。「鈴鹿 白い羊」と検索するとたくさんの画像がヒットするほど、山頂付近に群生するシロヤシオの木が羊の放牧のように見えることでも人気の山です。春には白い花を咲かせたシロヤシオの白い羊が、秋には紅葉したシロヤシオが赤い羊となって楽しませてくれます。そして、冬には真っ白な毛皮で覆われた雪をまとった羊の姿も楽しめます。標高1,000m少しの山で雪山トレッキングが楽しめると人気です。登山口は宇賀渓キャンプ場。登山ルートも、表道登山道・中道登山道・金山尾根・遠足尾根とバラエティに富んでいて、中道登山道では長尾滝などの滝も楽しめます。
竜ヶ岳についてもっと詳しく知りたい方は深掘り登山ガイド 鈴鹿 #04 竜ヶ岳

雨乞岳(あまごいだけ)


標高1,238m。東には東雨乞岳があって竜ヶ岳と同様に山頂はクマザサに覆われていてなだらかな山容が特徴的。山頂近くの大峠の澤(おおたわのさわ)にはモリアオガエルが生息しています。この池は昔、山の名の由来となった雨乞いの神事が行われたとか。雨乞岳から北に進むと「鈴鹿の奥座敷」と言われ、見事な苔でも有名なイブネ、クラシへと縦走することもできます。
雨乞岳への登山口は武平峠からのクラ谷道が一般的ですが、他に、朝明(あさけ)キャンプ場から根の平峠を経由して杉峠を通るルートなど三重県側からも滋賀県側からもアタックすることができます。

入道ヶ岳(にゅうどうがたけ)


入道ヶ岳は標高906m。鈴鹿セブンマウンテンの中でも比較的登りやすい山でコースタイム2時間ほどで山頂まで行くことができます。入道ヶ岳は山自体ふもとにある椿大神社(つばきおおかみやしろ)のご神体で、山頂には鳥居と奥宮が祭られています。元日には山頂の鳥居からご来光が見られることもあって、山頂からの初日の出と椿大神社への初詣を合わせて登る登山者もたくさんいます。また、山頂付近には馬酔木(アセビ)の群生もあって馬酔木のトンネルも楽しめます。
椿大神社近くの登山者専用駐車場からは、北尾根ルート、井戸谷ルート、二本松尾根ルートの3ルートがあり、宮妻峡キャンプ場からのルートもあります。

釈迦ヶ岳(しゃかがたけ)


標高1,092m。鈴鹿山脈の中ほどに位置する山。遠くから見ると山容がお釈迦さまの寝姿に似ていることから名づけられたとか。登山道は朝明キャンプ場を登山口に、代表的な3ルートで楽しむことができます。
松尾尾根ルート・中尾根ルート・庵座谷(あんざたに)ルートの3ルート。庵座谷ルートの途中には庵座の大滝があり紅葉も楽しむことができます。猫岳、ハト峰を経由し朝明キャンプ場に戻る周回ルートがおすすめです。途中、だれが作ったのかハト峰名物のハートのモニュメントがあります。ぜひ見つけてみてくださいね。

鈴鹿セブンマウンテンの楽しみ方 セブンマウンテン制覇!


駆け足で鈴鹿セブンマウンテンのお山についてご紹介してきました。鈴鹿山脈の魅力は何と言っても7つの山それぞれにまったく違った魅力があること。まずは一座、気になる山から登ってみてください。きっと鈴鹿の魅力にはまって、鈴鹿セブンマウンテン全7座制覇を目指したくなるはず!

セブンマウンテンのあとは鈴鹿10座に挑戦しよう

でも、鈴鹿の魅力はセブンマウンテンだけにあらず! セブンマウンテンを制覇したら、今度は鈴鹿10座に挑戦して見ませんか?  鈴鹿山脈は三重県と滋賀県にまたがる山域です。滋賀県東近江市が制定した「鈴鹿10座」は、「セブンマウンテン」とは少し構成が違って、御池岳・藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳・御在所岳・雨乞岳・イブネ・銚子ヶ口・日本コバ・天狗堂の10座が選定されています。きっとまた新しい鈴鹿の魅力が発見できるはずです。

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