投稿日 2023.08.25 更新日 2023.08.25

特集・連載

子どもと登山、気になる持ち物リストを大公開! 親子登山ノウハウ|持ち物編

親子登山をしてみたい。けれど、持ち物は? 何を持って行けばいいんだろう……? そんな疑問に答えてくれるのが、我が子が生後8ヶ月のときから親子登山をスタートし、現在も「山ヤ流子育て」を実践されているまつだしなこさん。準備のコツから年齢・季節別の必須アイテム、あると便利なお助けアイテムまで、「親子登山の持ち物」をテーマに、そのノウハウを余すことなく教えていただきました。

子どもと山へ! 0〜5歳の親子登山ガイド/ 連載一覧

目次

子どもと登山、持ち物はなるべくシンプルに!

冬の登山。ベビーキャリアの収納部分の容量は26リットルなので、子どもが2人いるわが家では必要な荷物を全て入れることはできません。保護者のひとりがベビーキャリアを背負い、もうひとりが30リットルのザックを担いでいきます。下山時には大抵、子どもの荷物も持つことになるのでこの状態。

「自然の中で、なにかあったらどうしよう。」
子どもと一緒に登山に向かうとき、親なら誰しも多少なりとも不安な気持ちがあるでしょう。街でのおでかけと違って、自然の中ではすぐにお店に駆け込むことはできません。

自他ともに認める心配性の私も、親子登山を始めた当時は思いつくままにあれもこれもとザックに詰め込んでいました。しかし、何度も持ち物に関する失敗を重ねるうちに気がついたことがあります。

それは、親子登山の荷物はなるべくシンプルなほうがいい、ということ。

なぜなら、無闇に荷物を増やしてしまうことで、なくては困る大事なものをかえって忘れてしまうリスクがあるからです。私自身、あれこれ持ってきたはずなのに肝心のものがない、という失敗をよくしました。あるときは、傘や座布団、ホッカイロなど「あれば便利かも」というものに気をとられ、肝心の息子の靴を忘れる……。忘れ物をするときは、不思議とないと困る大事なものを忘れてしまうのです。

荷物をシンプルにした方がいい理由はもう一つ。それは、親子登山は帰りの方が荷物が重くなるということです。山ではゴミを持ち帰るのがマナーなので、当然、使用済みオムツも持ち帰りますし、「疲れたから荷物持って」と子どもにリュックを託されることもあります。親がヘトヘトにならないようになるべくシンプルにすることが、結局のところ安全で楽しい登山につながるのではないしょうか。

あくまでシンプルに、過不足なく。親子登山の持ち物を用意するうえで私が心がけているのは、「ないと危ないモノ」と「あると便利なもの」に分けて準備する、ということです。具体的に何を持っていけば良いのか、ここからは我が家の事例をベースにお伝えしていきます。

【全年齢共通】安全登山のために保護者が準備する「ないと危ないモノ」

春山登山にいくための、大人2人、子ども2人分の荷物の例です。これに4人分の昼食や行動食が加わるので、最終的にかなりの分量に。水分が増えると総重量もグッと増していきます。

持ち物をなるべくシンプルにする、といっても安全な登山のために必要なものは必ず持参します。「ないと危ないモノ」は保護者が責任を持って準備しましょう。どんな低山であっても基本的な登山装備は一緒です。

<基本的な持ち物>

子どもの着替え(肌着・上下の服を一揃い。靴下も汚れやすいので忘れずに。防水バッグに入れましょう)
保護者/子どもの防寒具(夏でもウィンドブレーカーやフリースを必ず持参します)
保護者/子どものレインウェア
水筒(水分)
行動食(お昼ご飯などの食事とは別に、途中で食べるお菓子など。子ども自身に持たせる分とは別に、保護者も必ず多めに持ちましょう)
ヘッドライト(予備の電池も忘れずに)
トイレットペーパー(芯を抜き、濡れないようにジップロックなどで密封)
タオル(タオルの代わりに手拭いもおすすめです。タオルよりかさばらず、しかも乾きやすいです)
地図(スマートフォンのアプリと紙の両方があると安心)
日焼け止め、虫除けスプレー
ばんそうこう等の救急セット
・(年齢に応じて)おむつ替えセット
ゴミ袋(大きめのジップロックなど密封できるタイプがおすすめです)
健康保険証のコピー(子どもの分もいつもザックに入れておきます)

<わが家の必須アイテム>

水を携行できるソフトボトル(プラティパスやウォーターボトルなど)
子どもにも水筒を持たせますが、特に夏場はあっという間になくなります。保冷効果のある子どもの水筒には氷を多めに入れて、水分がなくなるたびにプラティパスから水を補給してあげると子どもはいつでも冷たい飲み物を飲むことができます。
大きな薄いレジャーシート
お昼などの休憩時に子どもが靴を脱いで休憩できるように。緊急のおむつ替え時に目隠しとしても活用でき便利です。
トレッキングポール
ベビーキャリアを背負っていると、特に下山時にバランスを崩しやすいもの。一本だけでもあると親の歩行が格段に安定します。
ツェルト(簡易テントのこと。エマージェンシーシートでも可)
万が一道に迷いビバーク(簡易な野営)が必要になったときのために、必ずザックに入れてあります。

【年齢別】親子登山がもっと楽しくなる「あると便利なもの」

娘は3歳の頃、トランシーバーが大好きで山には必ずもっていきました。少し先を行くお父さんと「もしもし、どこにいますか?」とおしゃべりしながら進むと、自然と歩みもスムーズになります。このほか、双眼鏡や顕微鏡など、あの手この手で山歩きを楽しみました。

安全な登山のために必要な「ないと危ないモノ」をしっかり準備したら、今度は子どもが一層登山を楽しめるように「あると便利なモノ」を工夫します。4歳になって娘はようやく山頂に立つということに意義を感じ始めたようですが、それまでは気分が乗らないと「帰る!」と座り込むこともしばしば。子どもが飽きずに歩き続けられるよう、あの手この手を試してきました。

0〜1歳|手鏡

子どもがぐずると背中に背負ったままお菓子を与えてしまうのですが、食べている様子が視界に入らないので誤嚥が心配でもあります。愛用した手鏡はmont-bellのステンレスミラー。よほどのことがないと割れないのでアウトドア時に重宝しました。

この年齢はまだ自分で歩かないので、もっぱらベビーキャリアに乗せて歩きます。

このときに活躍したのが手鏡です。ベビーキャリアを背負っていると子どもの様子が全く見えません。さっきまできゃっきゃと嬉しそうに動いていたのに、ふと気がつくとぴくりとも動かない……。かといって、いちいちベビーキャリアをおろして確認するのも大変です。そんなときに手鏡があれば、背中の子どもの表情を歩きながら確認することができるのです。

ニコニコしながら山の景色を眺める子どもの笑顔を、鏡越しに何度も眺めて嬉しくなったものでした。

2〜3歳|ビニール袋

子どもと自然の中を歩いているときのあるある話。とにかくものを拾うくせに、自分で持ちません!子どもが拾ったどんぐりで私のジャケットのポケットがパンパンになることも……。ビニール袋は、大小サイズをいろいろ持っていき、拾ったものは自分で持ってもらうことにしました。

好奇心が爆発し、自分の足で歩きたがる時期です。この時期にあると登山がとても楽しくなる便利アイテムが、透明なビニール袋。大小たくさんポケットに入れて、子どもが何かを採集し出すとすかさず袋を与えていました。

3歳児は夢中でどんぐりを拾ったり、石を集めたり。楽しみながらどんどん歩いてくれました。

ビニール袋のほか、虫眼鏡やトランシーバーなど山歩きを楽しめるグッズをザックに忍ばせていくのもオススメです。

2歳、3歳から自分のリュックも持たせましたが、まだまだ「持って……」と放り出してしまいます。

4〜5歳|いざというときのアイテム

4歳頃から、娘にもお菓子以外の山グッズを持ってもらいました。小物類は、左からサングラス、子ども用ヘッドライト、エマージェンシーホイッスル。一番右は、遊びグッズとしてお気に入りのコンパクト顕微鏡です。このほかに詰め込めるだけ、お菓子を詰め込んでいきます。

この頃から「いざというときに備える」グッズを子ども自身に持たせることを意識しています。

お菓子に加えて、
防寒具1枚(薄手のウインドブレーカー。万が一迷子になった時のために、保護者が持つレインウェアとは別に持たせます)
ヘッドライト
エマージェンシーホイッスル
が定番アイテムです。

サングラスや顕微鏡などお気に入りの山グッズは自己責任で準備し、自分で担ぐのがわが家のルール。自分のことは自分でやるというのが登山の基本であることを少しずつ教えていきたい年齢ですね。

ただし、ヘッドライトやエマージェンシーホイッスルは日頃から使い方を一緒に練習しておきましょう。子どもは山で急には使えません。また、ヘッドライトは出発前の点検も忘れずに。ちゃんとライトがつくかどうか、出発前に保護者が毎回確認しておくと安心です。

忘れ物をしない、効率的な荷造りの秘訣

小さいうちからリュックを持って、まずは荷物を背負って歩くということに慣れてもらいました。収納ケースの一つを子どもの山道具入れにしており、そこから自分たちで必要なものをリュックにパッキングしてもらっています。といっても、荷物のほとんどがお菓子ですが。

あれこれ持ってきたはずなのに、なぜかいつも忘れ物をしてしまう。
なぜなら大人は、朝ごはんの準備、お昼ご飯の用意、そして帰宅後の夕食用に炊飯器のタイマー設定をしてお風呂を洗って……と、スーパーマルチタスクをこなしているのだから。忘れ物の一つや二つ、してしまうものなのです。

しかし、子どもたちにとって山の先輩であるはずの私が、登山口でザックの中身をひっくり返して「ない、ない」と慌てていては、後輩たちにしめしがつきません。

そこで私が過不足なく効率的に荷造りするために気をつけているポイントが3つあります。

一つ目は、「ないと危ないモノ」と「あったら便利なモノ」の順番で揃えること。私の場合、あれもこれも必要と手当たり次第に準備することが、肝心なものを忘れてしまう原因だと思っています。この区別が自分の中でしっかりついていれば、もし荷物が多くなりすぎたら逆の順番で削っていくこともできます。

二つ目は、持って行くものを全部床に並べてからパッキングするということ。ベビーキャリアの収納部分だけでは荷物が入り切らないのでもう一つザックを持っていくのですが、ザックを二つに分け、準備も夫と手分けしてやることによって「パパが持ってきていると思った」ということが度々発生しました。肝心なアイテムほど、パートナーが準備しているだろうと思い込んでしまうのです。まずは写真のように全部並べて、それからそれぞれのザックに収納するようにしてから、勘違いによる忘れ物は激減しました。

三つ目は、「防寒具はプラス1枚」の掟です。なるべく身軽で行きたいと考えたとき、真っ先に削る荷物が防寒具でした。しかし、それは大きな誤りなのです。夏の八ヶ岳に行ったときのこと。登山口ではかなり気温も高く薄手の防寒具1枚で十分だろうと判断したら、山頂は強風。子どもが寒い寒いと泣き出すので、お昼もそこそこに急いで下山したことがありました。防寒具だけは、夏でもウィンドブレーカーに加えて、プラス1枚のフリースを持って行くようにしています。

試行錯誤して磨かれた持ち物リストは家族の宝物

3歳の頃(写真左)から愛用している登山ザック。使い始めた当時はあんなに大きかったのに、最近では「これじゃあ荷物が入らないよ!」と娘から指摘を受けるほど小さく感じるようになりました(写真右)。まもなく5歳半。そろそろ大きなザックに買い替えの時期です。

親子登山の持ち物は、山行を重ねるごとに洗練されていくように感じています。実際に山に登ってみて、必要なもの、なにかで代用できるものというのが徐々にわかってくるからでしょう。

まずは「ないと危ないモノ」をしっかりそろえて、低山から実際に行ってみることが肝心だと思っています。普段重い荷物を担ぎ慣れていない人は、重さに慣れるということも大事なことです。

忘れ物をしたり、いらないものを持って行きすぎたりと失敗もあります。それでも、帰り道で夫と「こんなのがあったらいいよね」と反省会をしながらその記録をノートにメモしていくのも、親子登山の楽しみの一つになっています。

試行錯誤しながらブラッシュアップされていく親子登山持ち物リストは、まさにわが家の叡智が凝縮された家族の宝物なのです。

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