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濃厚エゾバフンウニ缶&ぷりぷりツブ貝缶|2つの缶詰を使った贅沢山ごはん!
言わずと知れた高級食材「エゾバフンウニ」。夕日のように神々しい輝きを放つ燈色の姿と、口に含んだ時に広がる豊饒の海を凝縮させたような旨味。ああ、魅惑のエゾバフンウニ。もし清浄な山の空気の中でキミを頬張ることができたのなら、僕はもう、何も望むことはない…。
なんて考えてたら、あるんですって! 「エゾバフンウニ」の缶詰が。ということで、今回は1缶税込7,560円の超高級缶詰を缶詰博士こと、黒川勇人氏が豪快に食します。読んだらあなたも散財しちゃうかも。
超絶美味な山ごはん! 缶詰博士が教える珠玉の缶たんレシピ講座 #06/連載一覧はこちら
目次
高級缶詰で倍返しだ!
みなさん缶にちは! 5本指ソックスを偏愛する缶詰博士の黒川勇人です。
長かったコロナ禍で、「リベンジ消費」という言葉が生まれましたね。旅行や会食にお金が回らない分、高級外車や時計が売れたそうです。僕にはそんな買い物は出来ないけど、リベンジはしたい。緊急事態宣言も解除されたことだし、何か大胆なことをしたい。
そこで思いついたのが、大切に取っておいた高級缶詰を開けること。「小さいリベンジだな」と突っ込みたくなるでしょうが、まあお聞き下さい。その高級缶詰というのはエゾバフンウニの缶詰で、7,000円もするのです。7,000円ですぞ! 消費税を加えたら7,560円であります(当たり前だ)。
それだけではない。リベンジ=復讐といえば、倍返しの時代であります。ならば缶詰だって、もう1缶加えて倍にしないといけない。何となれば、今回は2つの缶詰を使った贅沢山ごはんになったのであります。
ぷりぷりの歯応えがたまらない「ツブ貝ごはん」
甘辛い味付けがごはんに染みこむ
思わずツブやくツブ貝缶
今回のリベンジは入念な準備をして臨みたい。中途半端なリベンジでは、終わった後の満足感が得られないと思うのだ。ゆえに、いきなり核心のエゾバフンウニ缶にはいかずに、ホテイフーズ「つぶ貝味付」をまず食べ、気分を上げておきたい。
ホテイフーズ「つぶ貝味付」90g
北海道産ツブ貝を砂糖しょう油で煮たもので、甘いだけでなく、しょう油の風味がきりっと立っている。ツブ貝の粒はかなり大きく、思わず「デカッ!」とツブやいてしまうほどだ。コンビニやスーパーでも見かける定番おつまみ缶詰だ。
ツブ貝缶は汁ごと使う
気温は低いが日差しが暖かい、八ヶ岳山麓の某所。テーブルを広げてガスバーナーをセットし、クッカーで水170mlを沸かす。わざわざテーブルを使うのは、万が一でも落ち葉にガスの火が燃え移らないようにするためであります。
湯が沸いたらバーナーの火を止めて、アルファ化米(白米)を入れ、ツブ貝缶を汁ごと入れ、手早くかき混ぜてフタをする。今回使うクッカーは、SOTO「サーモスタック クッカーコンボSOD-521」というやつ。3種類のマグとフタ、コジー(保温袋と収納袋の兼用)が組み合わされたクッカーで、今日はマグ750とコジーだけを持ってきた。
コジーを被せて15分放置
クッカーにコジーを被せて15分放置する。コジーの保温能力で湯が冷めにくいから、寒い時期でもアルファ化米が規定時間で柔らかくなるはずだ。このクッカーは専用のコジーが付属しているけど、他のクッカーも、衣類などで巻けば同様の効果が得られますぞ。
ツブ貝ごはんの缶成
かくのごとし。まるで炊き込みごはんのようだけど、炊き込んだわけじゃない。アルファ化米が戻る時の熱で、ツブ貝も温まったわけだ。砂糖しょう油味の染みたごはんがウマい。味は薄めだけど、貝の出汁を利かせて炊いたような味。ツブ貝は歯応えがぷりっぷりで、かむごとに旨味がにじみ出る。大粒なので食べ応えも充分だ。
ツブ貝を堪能したら、いよいよ核心のエゾバフンウニ缶に取りかかる。
濃厚そのもの「エゾバフンウニごはん」
国分「缶つま極 北海道利尻島産むしうにエゾバフンウニ」100g
野趣あふれる甘みが栗のよう
国分の缶つまシリーズの中に、「極(きわみ)」と銘打たれたシリーズがある。タラバガニ、アワビ、フカヒレなどの高級食材を揃えたシリーズだ。その中の「北海道利尻島産むしうに エゾバフンウニ」が、リベンジの核心であります。棚の奥に仕舞ってあったのを、「えいやっ!」と叫んでリュックに入れてきたのであります。
エゾバフンウニを全量投入!
ごはんの上に、思い切ってエゾバフンウニを全量投入する。黄金色の固まりが、ボテボテと積み重なっていく。ウニはぎっしり詰まっているので、次から次と出てきて止まらない。
ど、どうしよう。大変なことになった。いくらリベンジとはいえ、こんなに贅沢なことをして、もし誰かに見られたら大騒ぎになるかもしれない。急いでテントに入り、人目を遮断した。震える手でフォークを使い、ひと口頬張る。
あっ、濃い。ウニが濃いです。
蒸してあるから水分が抜けていて、味がぎゅーっと濃縮されている。ほのかな磯の匂いと塩味、そして、野趣あふれる甘み。まるで栗のようだ。
気持ちを落ち着け、あらためてシェラカップによそって全容を眺めてみる。エゾバフンウニという高級食材を、白いごはんに乗っけてワシワシいただくという所業。こんな量のエゾバフンウニを寿司屋で食べたら、きっと数万円は取られるに違いない。そう思うと、すっかり気が晴れた。もともとハレの日に食べようと、大事に取っておいたのだ。これで良かったのだ。僕のリベンジ消費は、これにて終了!
やっぱり外で食べた方がウマいね
※缶詰情報
ホテイフーズ「つぶ貝味付」90g 税込324円
スーパー、コンビニやネットショップ「ホテイフーズ直販ショップ」などで購入可
国分グループ本社「缶つま極 北海道利尻島むしうにエゾバフンウニ」100g 税込7560円
ネットショップ「ROJI日本橋」などで購入可(2021年10月時点では品切れ中)
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缶詰博士
黒川 勇人
1966年福島県福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。 缶詰だけでなく、それにまつわる文化や経済、人間模様も発信している。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。著書に〈缶詰博士が選ぶ「レジェンド缶詰」究極の逸品36〉〈日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36〉(ともに講談社)など多数。ネット新聞〈みんなの缶詰新聞〉缶修。〈マイナビニュース〉〈BESTTIMES〉に缶詰エッセイ連載中。
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