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「キンカン」は腰痛や肩こりにも使える!? 登山にぴったりな薬効を徹底解剖
「キンカン塗ってまた塗って〜♪」でおなじみのキンカン。虫さされ・かゆみに効くものだと知っている人は多いと思いますが、じつは、腰痛や肩こりにも効果がありハイキングや登山のいろいろなシーンで活躍してくれるアイテムなんです。
そこで今回は、普段から虫さされ薬としてキンカンを愛用するYAMAPユーザー2人に参加してもらい、ハイキングを楽しみながら、腰痛や肩こりについてキンカンを試してもらいました。果たしてその効果とは? 虫さされの常備薬が持つ意外と知られていない実力を紹介します。
目次
キンカンをザックに忍ばせ、岩殿山登山に出発!
今回、取材にご参加いただいたのは、山友達の大西夏奈子さんと長野亮之介さん。おふたりとも普段からキンカンを愛用するユーザーさんとのことで、自宅からキンカンを持ってきてもらいました。「庭仕事をしていると、蚊にさされることはしょっちゅう。すぐ手の届くところにスタンバイさせています」と長野さん。大西さんも虫さされにはキンカンを使っていて、夏になると家の至るところにキンカンを置いているそうです。
そんなおふたりですが、虫さされ以外にキンカンを使ったことがないのだそう。「ハイキング中にキンカンを使うと聞いて、どんな使い方があるんだろうと楽しみにしていました!」と大西さん。
向かったのは山梨県大月市にある岩殿山(いわどのさん)。JR中央線大月駅からほど近くにあり、東京スカイツリーと同じ高さの標高634mの低山です。でも、低山と言えど侮るなかれ。見応え&歩き応えのある人気の山で、山頂からは天気がよければ富士山を眺められます。また、道中にはクサリのかかった岩場があり、ハイライトには断崖絶壁の『稚児落とし』が待っています。
さぁ、準備を整えてハイキングスタートです!
『冷感刺激』と『温感刺激』の繰り返しが腰痛を和らげる
ところで、キンカンは、有効成分により「局所刺激」「冷感刺激」「温感刺激」を患部に与え、複合的に作用して虫さされのかゆみや、肩こり・腰痛等の痛みに効果を発揮しています。l-メントール等によるスーッとした冷感のあとに、トウガラシチンキによるジンワリとした温感が追ってきます。
「気がつかなかったけど、言われてみればたしかに! 塗ってすぐは冷たいけど、しばらくするとジンワリを感じます!」と大西さん。じつはこの『冷感刺激』『温感刺激』等の刺激が、お馴染みの虫さされやかゆみ以外にも効果を発揮するのだそうです。
たとえば、長野さんが日々悩まされている腰痛。長野さんのお仕事は雑誌や書籍の挿絵を描くこと。長時間、机に向かってイラストを描くのはもちろん、自身の個展の前にはキャンバスとにらめっこをすることもあって、腰が痛みやすいのだそう。
キンカンは腰痛にも効果的。キンカンを時間を空けて塗ってはよく乾かしを繰り返すと、 『冷感刺激』と『温感刺激』が繰り返されます。そうすると、患部の痛みを和らげることができるんです。
じつは『キンカン塗って、また塗って〜♪』というフレーズは「塗ってはよく乾かしを繰り返してください」という意味。つまり、テーマソングで用法を説明しているということ。思わず口ずさんでしまうあのフレーズにそんな意味が込められていたとは! 驚きです!
※キンカンの用法用量/1日数回、患部に適量を塗布してください。
バックパックを降ろした肩のこりにも◎。ジンワリして気持ちがいい!
樹林を登ること1時間弱。早くも岩殿山の山頂に到着しました。あいにくの曇り空で富士山は見えませんが、眼下には甲州街道と大月の町並みが広がっています。なかなかの景色に満足そうなお二人。荷物を降ろして少し休憩です。
大西さんは雑誌や書籍の編集を行うフリーの編集者。職業柄、一日中パソコンの前に座っていることも多いそう。「肩こりがすごくて。バックパックを背負うと、さらに肩周りが固まっていく感じがしますね」と首を回しながらポツリ。
キンカンの『ヒンヤリとした冷感、ジンワリとした温感』は腰痛同様、肩こりにも効果があるんです。大西さんに試してもらったところ「少しずつジンワリしてきました! 血行がよくなっている感じがして気持ちがいいですね」とお気に入りのようす。
景色を楽しんだら、山頂の道標で記念写真をパチリ。お二人ともまだまだ元気そうですが、この先はクサリのかかった岩場ゾーンが待ち構えています。下山口までは2時間ほど。これからが本番ですよ!
岩場でぶつけた打撲と、ひねってしまった足首には冷感刺激が効く
山頂から少し下ると、登山道に大きな岩がちらほら。岩殿山と言われるだけあって、ここからは鎧岩や兜岩などの巨石を見ながら、2箇所のクサリ場を越えていきます。
1つ目のクサリ場は山頂から40分ほどのところ。岩についた凹みに足を掛け、クサリをつかんで登っていきます。「なかなか腕の筋肉を使いますね!」と大西さん。いえいえ、これは準備運動。核心は2つ目のクサリ場で、大きな岩の割れ目に沿ってクサリとハシゴがついています。
「すごい! こんなところを登ってきたんだ!」と、クサリ場のてっぺんから下をのぞき込む大西さん。難所を無事に乗り切ったのでひと休みです。
「ハシゴで少し腕をぶつけちゃったから、あざになるかな…」と心配そうな大西さん。打撲には患部を冷やすことが重要ですが、キンカンのヒンヤリ感がぴったり。休憩中にしっかり塗っておきましょう。
しばらく進むと、ロープがかかった急斜面が出てきました。「こういうところは足をくじきそうで苦手です」と、長野さんの手に力が入ります。
キンカンの様々な刺激は、ねんざによる痛みの伝わりを抑制する効果もあるのだそう。とはいえ、ハイキング中のねんざは厳禁! 足元に気をつけて一歩ずつ確実に!
ハイキングや登山のお供として。便利に使えるキンカン
天神山という小ピークを越えると、いよいよ、岩殿山のハイライト「稚児落とし」へ到着です。一枚岩の断崖絶壁を目の前に「すごい迫力だね!」と長野さん。開けた尾根道からは緑の尾根が重なってみえます。大西さんも「ほんのひと登りでこんな景色が見られるなんて!」と大興奮です。
見晴らしのよい稚児落としの上へ移動して小休憩を取ります。話題に上ったのはキンカンの効能について。
今回の取材に参加してみて、肩こりや腰痛、打撲やねんざに効くことを初めて知り、お二人とも驚いたそうです。
長野さんは「ハイキング中、キンカンの活躍の場がこんなにあるとは。1本持ってると安心だね」と感心したようす。大西さんも気に入ったようで「私が持ってきたのは50mLだけど、20mLの小さいサイズは山での携帯によさそう。さっそく薬局で探してみよう」とのこと。
下山後、ヒンヤリ感が気持ちよくて、キンカンを取り出して、症状のあるところに塗り始めた長野さん。もはやキンカンは登山の相棒ですね!
バックパックに1本入れておくと便利なキンカン。ハイキングや登山のお供として、ぜひ活用してください!
【第2類医薬品】
キンカン 100mL
キンカン 50mL
キンカン 20mL
※写真は50mL
原稿:池田菜津美
撮影:北村華子
モデル:長野亮之介、大西夏奈子
協力:金冠堂
ライター
池田 菜津美
子供向けの自然科学の本や、図鑑の編集などを行う。子供の頃から外遊びが好きで、山菜採りや野鳥観察、雑草探しに興じていた。現在は自宅裏の神社で鳥&昆虫を愛でるのを日課とし、近所の自然公園へぶらりと植物探しに出かけることも。今も昔も相変わらず、生き物の暮らしや生態に感心しながら、それとのふれあいを楽しんでいる。著書に『飼育員さん教えて!みんなどきどき動物園』『飼育員さん教えて!みんなわくわく水族館』(新日本出版社)、『ときめくヤマノボリ図鑑』(山と溪谷社)など。
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