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テント泊登山デビューならこの山&テント場!3エリア11カ所を厳選
初めてのテント泊。ギアもそろえたし、あとは行き先を決めるだけ! でも、どの山域(エリア)、山、テント場がいいのだろう…? そんな迷えるテント泊ビギナーのために、「夏山 × 初めてのテント泊」をテーマに、厳選おすすめスポットを一挙ご紹介します。
はじめようテント泊|登山テントの選び方、おすすめアイテム、活用アイデア #07/シリーズ一覧はこちら
目次
テント泊の初心者必見! 失敗しない【テント場選びの4箇条】
前回の記事では、テント泊の達人たちに「初めてのテント泊」のための「テント場選びのポイント」をリサーチ。達人たちもかつてはみんな初心者。どうやってテント場を選んだのか、経験を積んだ今だからこそ言えることを赤裸々に語ってもらいました。そして導き出したのが、ビギナーにぴったりな【テント場選びの4箇条】!
① 樹林帯であること
木々が守ってくれるので風の影響を受けにくく、標高も低いことが多いため比較的安全。
② アプローチが短い
テント泊装備は重く担いで登るのが不安なら、登山口からテント場まで1〜2時間のコースタイムが安心。
③ ベースキャンプ型でピークハントも!
テント場に荷物を置いて山頂を目指すコース設定をすれば登山も満喫可能に。
④ 小屋が近くにあると安心
降雨や天候悪化などの際に小屋のサービスを利用することも想定。
本記事では、この条件を踏まえて「テント泊デビューに最適なエリア&テント場」を厳選してご紹介。テント場だけでなくピークハントを狙える山も併記しているので、テント泊+登山を存分に楽しめます。
新型コロナウイルス対策のため営業が例年通りではない山小屋も多く、テント場が予約制になっていたり、張り数が制限されていたりします。出発前にはテント場を管理している山小屋に問い合わせ、必要であれば予約をしてから山行に臨みましょう!
※記載の営業状況は変更になる可能性があります。最新の状況については山小屋の公式サイト等を確認してください。
初めてのテント泊おすすめエリア① 八ヶ岳エリア|ピークハントが楽しい
青苔荘 テント場 → ニュウ・天狗岳
麦草峠の駐車場からテント場(青苔荘)までは15〜20分ほど。バスなどのアクセスも良好。テント場があるのは、日本一高い所にある湖として知られる「白駒池」の畔。苔の森を散策したり、湖を眺めながらのんびりと過ごしたりと、手軽に大自然を満喫できる。ピークハントなら、ニュウや天狗岳など北八ヶ岳の山々へ。
営業状況:6/1~営業中(完全予約制)
公式ウェブサイト
オーレン小屋 テント場 → 硫黄岳・天狗岳・赤岳
桜平駐車場から1時間20分ほど。はじめの30分は林道歩きで、その後オーレン小屋までの登山道も比較的緩やかで歩きやすい。こちらも天狗岳のほか、硫黄岳、赤岳などへの登頂を狙える。オーレン小屋のヒノキ展望風呂「オーレン山の湯」は、テント利用者でも1回500円で入浴可。
営業状況:営業中(テント張り数制限中、予約制)
公式ウェブサイト
黒百合ヒュッテ テント場 → 天狗岳
登山口は渋の湯か唐沢鉱泉。黒百合ヒュッテまでは2~2時間半ほどのコースタイムと少し長いため、テント泊装備を背負っての山行が心配なら余裕を持ってスタートしたい。ヒュッテには手ぬぐいなどのかわいくておしゃれなオリジナルグッズがたくさんあり、女性に人気。周辺の山の中では、ダントツで天狗岳が近い。
営業状況:営業中
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赤岳鉱泉 テント場・行者小屋 テント場 → 硫黄岳・赤岳
赤岳鉱泉と行者小屋への所要時間は、どちらも美濃戸山荘から2時間ほど。ここからは、硫黄岳や赤岳など南八ヶ岳の山々が近い。樹林帯歩きが少し長くアップダウンもあるため、デイハイクや小屋泊の経験があると安心。赤岳鉱泉では「雨の日&雪の日限定ケーキメニュー」なるものも(週末のみ)。
営業状況:8/1~営業再開予定
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初めてのテント泊おすすめエリア② 秩父エリア|奥深い森を歩ける
廻り目平キャンプ場 → 登山するなら金峰山・瑞牆山
クライミングの聖地・小川山に近いキャンプ場。奇岩群に囲まれた金峰渓谷の中に位置する、沢沿いの気持ち良いテント場だ。金峰山や瑞牆山、小川山などへの登山はもちろん、釣り、周辺散策(ハイキング)も楽しめる。
営業状況:営業中
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富士見平小屋 テント場 → 金峰山・瑞牆山
こちらも金峰山と瑞牆山の登山基地として人気のスポット。秩父多摩甲斐国立公園の中の、瑞牆山・金峰山・小川山の分岐ポイントに位置する。登山口からのコースタイムは50分ほど。フラットで広いテント場は、仲間と一緒にテントを張っても楽しい。富士見平小屋を基点に金峰山と瑞牆山の両方に登り、日本百名山2座登頂を目指すのもあり。
営業状況:営業中
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山小舎 福ちゃん荘 テント場 → 大菩薩嶺
登山の入門ルートでもある大菩薩嶺へと続く、登山道の途中にあるテント場。登山口となる上日川峠から福ちゃん荘までは約40分。あえてテント装備を背負ってぐるっと歩いてもいいかもしれない。雷岩から大菩薩峠までの尾根道からは、富士山や南アルプスの山々が一望できるという抜群の見晴らし。
営業状況:営業中
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笠取小屋 テント場 → 笠取山
作場平登山口から笠取小屋までは2時間ほど。小屋までのルートは、急坂の一休坂(3.2km)と、緩やかなヤブ沢峠(3.7kmの)があり、前者を選ぶと500mほど標高を上げることになる。テント装備を背負っての急登はちょっとしたトレーニング。北アルプステント泊登山に向けての練習としてもちょうどいい。
営業状況:営業中(予約制)
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初めてのテント泊おすすめエリア③ 北アルプス|ちょっぴり冒険するならここ
雷鳥沢キャンプ場 → 立山三山(浄土山・雄山・別山)
北アルプス北部の剱・立山連峰。同エリアの人気の山、剱岳や立山三山(浄土山・雄山・別山)への登山中継地、キャンプサイトとして人気。3,000m峰の山々が織りなす雄大な景観は、この場所ならでは。室堂のバスターミナルからは1時間弱だが下り基調なのでアプローチがラクちん。テント場付近の施設「雷鳥沢ヒュッテ」と「ロッジ立山連峰」では、日帰り入浴が楽しめる。
営業状況:雷鳥沢野営管理所(090-1632-9141)に要確認
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燕山荘 テント場 → 燕岳
北アルプスの入門ルートとして人気の中房温泉~燕岳。日本三大急登の一つ「合戦尾根」を経由するため、テント装備を背負って登るのにはなかなかに体力が必要かも。テント場からの絶景(アルプスの山々を一望できる)は何よりのご褒美。合戦小屋の夏の名物、スイカも楽しみの一つ。
営業状況:7/15~営業中(予約制)
公式ウェブサイト
白馬大池山荘 テント場 → 乗鞍岳
白馬大池の湖畔に広がるテント場。栂池からロープウェイを使えば、標高1,800mまで一気にアクセスできる。白馬大池山荘があるのは標高2,000mで、天狗原や白馬乗鞍岳を越えてたどり着いたときの達成感はひとしお。夜、湖面に映し出される星や山のシルエットは、この場所に泊まるからこそ見られるとっておきの一景。
営業状況:7/15~営業中(予約制)
公式ウェブサイト
今年こそ挑戦したいテント泊登山
テント泊デビューにオススメのテント場、いかがでしたか? ここに挙げた場所以外にも、アプローチが短く、ピークハントを狙える山はたくさんあります。夏山シーズンはまだまだ続きます。テント泊に挑戦するなら今。ぜひ身近なフィールドでテント泊を始めて見てくださいね。
次回は実践的なハウツーをお届け予定。設営にまつわるノウハウや雨の日の対策など、テント泊の達人たちが実践しているワザをご紹介します。
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トップ画像:gunsouさんの活動日記より
取材・文/写真:小林昂祐
テント泊の達人たち
YMテント泊同好会
テント泊をこよなく愛する者たちの集まり。「YM」は「YAMAP MAGAZINE」の略。登山やトレッキングからクライミング、アルパインなどジャンルにとらわれないメンバーで構成され、それぞれの考え方や価値観でテント泊についてのあれこれを大放談。座談会はキャンプサイトで開催するのがルール。
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