投稿日 2020.08.04 更新日 2023.05.31

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初めてのテント泊登山、失敗しない【テント場選び】のポイントは?

初めてのテント泊は、楽しみに加えて緊張と不安もいっぱい。そこでテント泊をこよなく愛するテント泊の達人たちに、初めてのテント泊エピソードと、失敗しないためにオススメのテント場をインタビュー。これからテント泊デビューをしたいと思っている方、必読です!

はじめようテント泊|登山テントの選び方、おすすめアイテム、活用アイデア #06/シリーズ一覧はこちら

目次

教えて! みんなの「初めてのテント泊登山」

まずは4人の「テント泊の達人たち」に、初めてのテント泊エピソードを伺いました。今でこそさまざまな山域やスタイルでテント泊をしている達人ですが、かつてはみんなビギナー。当時を振り返りつつ、今だからこそ言えるアドバイスを語っていただきました。

テント泊の達人たち。左から船山潔、伊藤伴、田所紀子、ちゅーた

船山潔(ふなやま・いさぎ)
佐久平ロッククライミングセンター所属。20歳の時に渡仏し、アルパインクライミングに魅せられる。現在は国内外でロッククライミング、アルパインクライミング、バックカントリースノーボードを楽しむ。

伊藤伴(いとう・ばん)
学生時代から登山をはじめ、モンブラン、 ロブチェ・イーストを登頂。20歳のときに当時日本人最年少でエベレストとローツェ連続登頂を達成 。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、山の日アンバサダー。

田所紀子(たどころ・のりこ)
バックパッカー時代に旅したネパールで山に魅せられる。現在は山岳会に所属し、夏冬テント泊縦走から沢登り、アルパインクライミングまでオールラウンドに活動中。

ちゅーた
ロングハイクが好きで、5~9日など距離や日数が長めのテント泊縦走スタイルがメイン。山と温泉とビールのセットを愛し、温泉(とくに野湯、秘湯)巡りも。 最近は海外トレイル欲が爆発し、NZにひとり山旅に行ったばかり。

初めてのテント泊登山モデルケース① 北アルプス表銀座を縦走(常念岳で1泊)

ちゅーたさんの「初めてのテント泊登山」エピソード

ちゅーた初めてテント泊をしたのは常念岳のテント場でした。ずっと、北アルプスをテントで縦走したいと思っていて、中房温泉からスタートして上高地に抜けるルートを組みました。本当は裏銀座を5日間で縦走したくて、その準備というか練習だったんです。

1日目は中房温泉から登り始めて、燕岳、大天井を経由して、常念岳まで。ちょっと長めのコースでした。

伊藤:結構歩いてますね。普通は大天井くらいで泊まりますよね(笑)。

ちゅーた:ちょっと遠かったけど、想定していたのが裏銀座の縦走だったので、少し長めにコース設定をしたんです。途中には燕山荘(燕岳)もあるし、大天荘(大天井岳)もあるし、山小屋に泊まったり、途中でエスケープすることもできます。2日目は上高地まで行くルート設定でしたが、疲れていたら常念岳や蝶ヶ岳で下山することも考えていました。

時期は6月末。槍ヶ岳も見えますし、景色は最高でした。テント泊で歩く前に小屋泊で縦走をしていたので、ルートや距離などの経験があったので、長い距離でしたが問題なく歩き通すことができました。練習も兼ねていたこともあり結局1泊2日で歩いたのですが、表銀座ルートはやっぱり景色がいいので、ゆっくり歩けばよかったなと思いますね(笑)。

—事前にテントの試し張りはしましたか?!

ちゅーた:公園で試し張りをしました。設営の練習はしておくに限ると思います。仮にわからなくて「誰かに聞きたい!」と思っても、聞く人自体がいないこともありますし。実際、その日テント場にいたのは、わたしとおじさんのふたりだけでした。設営はもちろん、ペグやガイラインなどの付属品もチェックしておいたので、実際にテント場で張るときも不安はありませんでした。

初めてのテント泊登山モデルケース② 南アルプス北沢峠起点で仙丈ヶ岳&甲斐駒ヶ岳登頂

田所さんの「初めてのテント泊登山」エピソード

田所:南アルプスの北沢峠だったと思います。登山バスを降りて、少し歩いた先にある長衛小屋のテント場でした。日数は3日で、甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳をそれぞれ1日ずつでピークハントするゆったりプランですね。

テント泊が初めてなので、テントを担いで歩く距離がない場所を探してみたんです。長衛小屋のテント場は樹林帯なので風の影響も少ないですし、すぐ近くに小屋があるので安心だなって。一緒に行った仲間も登山初心者だったので、「ここで練習しよう!」と。失敗のない、手頃なテント場でした。

2泊3日で行ったのですが、1日目は雨が降ったのでテントを張ってステイ。2日目に甲斐駒ヶ岳、3日目に仙丈ヶ岳に登って帰りました。

—テントを背負って歩く距離が短い、樹林帯で危険度が低いというのが秘訣ですね。

田所:そうですね。ここならテントを置いて山にも登れるし、じっくりテント泊の練習ができます。まだテントを背負って登れるかどうか心配だったので、まずは「テントで泊まる」に集中して、せっかくなのでちゃんとピークハントもできるプランにしました(笑)。

初めてのテント泊登山モデルケース③ 南アルプス北沢峠でキャンプをメインに

伊藤さんの「初めてのテント泊登山」エピソード

伊藤:テント泊を初めてしたのは小学生のころ(笑)。小さいときから家族で登山に行っていたのですが、八ヶ岳の赤岳鉱泉が初めての経験でした。時期は8月で、硫黄岳から横岳、赤岳をぐるっと歩く周遊コースですね。

—そのときから家族で行っていたんですね。

伊藤:小学校のハイキングクラブの先生と山岳部のお父さんたちとの合宿で参加していました。自分で行くようになったのはいつだろう…。高校生くらいですかね。高校が山岳部だったのでそこのころだったと思います。

伊藤自分で初めてテントを担いで行ったのは…あ! 北沢峠でした(笑)。テント泊はまだそんなにしていなかったので、みんなで飯盒炊飯したり、キャンプメインで。テント泊、実は苦手で…ジッパーの音がすごく嫌なんですよ。

一同:え~!(笑)

伊藤:ジー…というあの音が。自分のテントだけじゃなくて、他の人のテントも。夜寝られないとき、誰かがトイレ行く時に「ジー…」ってやるじゃないですか。その音がずっと残っていて、たぶん夜怖かったのと結びついているんですよね。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、ベースキャンプ型のテント泊は安心ですね。北沢峠はバスを降りてすぐですし、テント場も広くて快適。谷間なので天気が悪くてもそれほど不安もないですし、田所さんのように両側には魅力的なピークが二つもある。テント泊して登山もできて、これ以上ないロケーションだと思います。

編集部註:残念ながら、長衛小屋は2020年の休業を決定。インタビューの内容とは異なりますので、最新情報は以下リンクを参照してください。
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/choueigoya.html

初めてのテント泊登山モデルケース④ 野外プログラムで北アルプス燕岳へ

舩山さんの「初めてのテント泊登山」エピソード

船山:両親がアウトドア好きだったこともあって、ボーイスカウトみたいなこともやってたんですよね。初めてのテント泊は高校1年生のOBJ。 OUTDOOR BOUND JAPANという、野外教育プログラムがあって、その一週間プログラムに参加したんです。

たしか北アルプスの大滝山から燕岳に抜ける3泊4日のルートです。いわゆる表銀座ですね。それまで登山はしていたのですが、基本的に日帰りでした。

そのプログラムが結構面白くて、ルートの最初と終わりは決まっているのですが、行程は自分たちで決めなきゃいけなくて。チームは6人で荷物も分配して、という感じです。共同装備だったのでソロテントでのテント泊ではないのですが。

船山初めて自分でテント泊をしたのは、17歳か18歳のころ。クライミングの開拓で、11月に八ヶ岳に。クライミングの先生と仲間とテント泊で行きました。テントを買ってからは八ヶ岳の全山縦走をしました。そのときはポールを忘れて、テント場にいたおじさんのテント入れてもらったこともありました…。

初めてのテント泊登山におすすめのテント場&コース

では、これからテント泊をはじめたい!という方にはどんなテント場やルートがいいのか。達人たちにオススメを語り合っていただきました。後半にはテント場リストも掲載!

伊藤金峰山の富士見平小屋のテント場はどうかな。

ちゅーた:登山口から1時間かからないくらいですよね。多少荷物を担ぐ練習にもなるし、テント場はフラットだし。瑞牆山も金峰山も行けるし、いいかもしれない。

伊藤:八ヶ岳もいいですよね。オーレン小屋、黒百合ヒュッテあたりかな。八ヶ岳はほとんどテント場が樹林帯だし安心ですよね。登山口からちょっと距離があるけど、日帰りで行ったことがある人だったら大丈夫だと思います。

船山:いきなり涸沢とかは難しいかな。

ちゅーた:涸沢はテント場が岩ばっかりだから張るのにテクニック必要ですしね。あと、稜線のテント場は避けた方がいいのかなって。風が強いときもあるし、設営や撤収も多少テクニックが必要だから初めてには向かないと思う。

—やっぱり、登山口からテント場までの距離が短くて、テント装備を置いてピークハントができるベース型。しかも樹林帯がオススメということですね。

田所:テントを張ってから行動に選択肢があるといいですよね。

船山:だったらここ(廻り目平キャンプ場)も最高ですよね。金峰山も瑞牆山も登りに行けるし、キャンプサイトも広いからのんびりテント泊できる。まずはテントを張って、寝てみるところから始めてもいいですよね。

伊藤:たしかに。あとは、デイハイクや小屋泊で行ったことのあるルートなら、登山道の感じもわかるし、荷物を背負って歩いても心配は少なそう。

ちゅーた徳沢とかどうでしょうか? 上高地から歩いて2時間くらいで、テント場もフラットだし。登ろうと思えば蝶ヶ岳や涸沢にも行けますよね。たぶん、テント泊したい人って絶景を見たいんだと思います。せっかくだからテントを張って、どこか登れるといいのかな。

ほかには尾瀬もいいかもしれない。テント場までのルートもそれほどアップダウンはないし、テント装備を担いで歩く練習にもなるし。なにより昼間はデイハイカーばっかりだけど、夜は一気に人が少なくなるからテント泊の楽しみを存分に味わえそうだなって。

—歩く自信があれば、テント装備背負って登ってもいいですしね。あとは「うまくいかなかったとき」を想定できるかどうかかもしれません。

最悪の場合、小屋があればテントに不具合があっても駆け込めますし、標高が低く樹林帯であればアルプスなどの高山よりは危険度も低いですよね。

もちろん小屋やまわりの登山者に迷惑をかけないように最善の準備と用意をして挑戦してほしいと思います。

初めてのテント泊、テント場選びのポイントまとめ

hosojuunの活動日記より/白山・南竜ヶ馬場にて”初めてのテント持ち込み泊”の様子

テント泊に挑戦するなら、まずは「安全な場所」で泊まることからスタートするのがベター。達人たちの経験やエピソードをまとめると、以下のような条件でテント場を選んでみるのがよさそうです。

・樹林帯であること
木々が守ってくれるので風の影響を受けにくく、標高も低いことが多いため比較的安全。

・アプローチが短い
テント泊装備は重く担いで登るのが不安なら、登山口からテント場まで1〜2時間のコースタイムが安心。

・ベースキャンプ型でピークハントも!
テント場に荷物を置いて山頂を目指すコース設定をすれば登山も満喫可能に。

・小屋が近くにあると安心
降雨や天候悪化などの際に小屋のサービスを利用することも想定。

「どこでテント泊しようかな」と地図を見ながら思案するのも楽しいもの。コース選びからすでにテント泊登山は始まっているんです! テント泊ができるようになれば、登ることのできる山やコースの幅がグッと広がります。まずは第一歩、安全に配慮して「泊まる」を実践してみてください。

次回はテント泊同好会がオススメするテント場をピックアップしてご紹介します!

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トップ画像:こじろうさんの活動日記より/立山・雷鳥沢キャンプ場にて

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