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関西の絶景登山ルート「京都縦貫トレイル」徹底解剖!

「京都縦貫トレイル」とは、京都府北部の中丹地域に広がるトレイルコース。鬼の伝説でも知られる「大江山連峰トレイル」と綾部地域に点在する登山道をまとめた「綾部トレイル」等の総称です。実はこの山域、歴史的な遺構も多く、植生も豊か、そして何より絶景ポイントに恵まれており、山好きならばぜひとも訪れたい関西の穴場登山ルートなんです。今回はそんな「京都縦貫トレイル」についてご紹介します。なかなか外出もままならない状況ですが、登山計画をじっくりと検討して先々の山行に備えてみてはいかがでしょうか?

2020.03.19

YAMAP MAGAZINE 編集部

INDEX

鬼の伝説と雲海 神秘の登山道「大江山連峰トレイル」とは?

「京都縦貫トレイル」を語る上で、まず説明しておくべきなのは「鬼」というキーワードで全国的にも注目を集めている「大江山連峰トレイル」について。

大江山連峰とは京都府の北部、中丹地域にある赤石ヶ岳(736m)、千丈ヶ嶽(832m)、鳩ヶ峰(746m)、鍋塚(763m)の4座からなる峰々の総称です。「酒呑童子」伝説が残る山といえば、ピンとくる方も多いかと思います。「大江山連峰トレイル」は、この4座に加え、周辺に広がる峰々を繋いだトレイルコース。その総延長は84kmにも渡り、複数の峰をつないで本格的な縦走をしたり、部分的にハイキングをしたりと、いろいろな楽しみ方ができるバリエーションに富んだトレイルコースです。

大江山連峰トレイルの全体像

大江山連峰トレイルのルート情報はこちらから

「大江山連峰トレイル」の絶景と雲海

「大江山連峰トレイル」の魅力としてまずあげられるのは、その景色の美しさ。日本三景のひとつ「天橋立」や杉山の山頂周辺にそびえる「上宮津杉の巨木群」などのビューポイントが山中に点在します。中でも多くの登山者を魅了する絶景が秋の「雲海」。YAMAP上でも、美しい雲海が収められた活動日記が多数アップされています。その光景はまさに「神々しい」のひとこと!

どぅーんさんの活動日記より/11月下旬の夜明け直前。鬼嶽稲荷神社前から雲海を望む

Shirohさんの活動日記より/赤岩山の西にある宇野ヶ岳(694m)付近から天橋立を望む

杉山の山頂周辺は「上宮津・杉山エコミュージアム」として山の環境が整備されており、樹齢300年を超える杉に触れることができる。提供:上宮津・杉山エコガイドの会

「大江山連峰トレイル」に伝わる鬼の伝説

そして、絶景と並ぶ大江山の魅力といえば、やはり「鬼」の伝説。日本で最も有名な鬼「酒呑童子」にまつわる数多くの伝説が、山中のあちこちに残っています。

やまいやまおさんの活動日記より/鍋塚と普甲峠の間にある「鬼の岩屋」。かつて酒呑童子が住んだといわれる

ゆらぎさんの活動日記より/大江山口内宮駅の北西、新童子橋そばには、酒呑童子を征伐した源頼光(みなもとのよりみつ)が休んだとされる「頼光の腰掛岩」がある

ちなみに「大江山連峰トレイル」へのアクセス拠点のひとつ、大江山口内宮駅から北西に約5kmの場所には鬼に関する世にも珍しい博物館「日本の鬼の交流博物館」もあるので、予定が合えば立ち寄ってみてもいいかもしれません。きっと大江山の鬼伝説をもっと深く知ることができるはずです。

ひらたかさんの活動日記より/博物館には酒呑童子のほか、日本各地の鬼の資料が展示されている。「日本の鬼の交流博物館」のWebサイトはこちらから

音子にゃんさんの活動日記より/鬼嶽稲荷神社は、大江山を代表する雲海のビュースポット。産業にご利益があると言われている

大江山の酒呑童子伝説に関する特集記事はこちらから

「大江山連峰トレイル」のオススメのルートは?

「大江山連峰トレイル」の中でも、多くの登山者に愛されているのが、大江山連峰の4座縦走に、普甲峠、杉山(697m)、宇野ヶ岳(694m)を経由して赤岩山(669m)に至る縦走路を加えた全長16kmのトレイルコース。その両端にある赤石ヶ岳と赤岩山の頭文字をとって「赤赤縦走路」と呼ばれています。

赤赤縦走路のルート図

赤赤縦走路の特徴は、大江山の魅力を存分に味わえること。赤石山周辺から眺める「天橋立」や杉山にある「上宮津杉の巨木群」、鍋塚と普甲峠の間にある「鬼の岩屋」など、これまでに紹介したスポットを十分に堪能することができます。

もちろん「赤赤縦走路」に限らず「大江山連峰トレイル」には、数多くの登山口、登山道が整備されており、その数は実に13ルート。自分好みの縦走ルートを組み合わせるもよし、家族で手軽にハイキングを楽しむもよし、いろいろな歩き方ができる、実にふところの深い山なのです。

「大江山連峰トレイルクラブ」のwebサイトでは「大江山連峰トレイル」を含め周辺の観光MAPをダウンロードできる

「大江山連峰トレイル」の活動日記一覧はこちらから

歴史と美しい自然が点在する京都の里山「綾部トレイル」

そして、中丹地域を代表するもうひとつのトレイルコースが綾部地域に点在する登山道をまとめた「綾部トレイル」。君尾山(582m)、弥仙山(664m)、シデ山(735m)、大栗山(681m)、頭巾山(871m)、天狗畑(848m)などからなり、それぞれのコースがコンパクトに独立しているのが特徴です。

「綾部トレイル」の各山ルート情報はこちら

君尾山・光野峠の情報はこちらから
弥仙山の情報はこちらから
シデ山・大栗山の情報はこちらから
頭巾山(京都府・福井県) の情報はこちらから
天狗畑・洞峠・古屋の情報はこちらから

「綾部トレイル」を代表する歴史の山「君尾山」

「綾部トレイル」の中でも人気なのは、聖徳太子建立の光明寺や大栃の巨木がそびえる「君尾山」。あやべ温泉のそばから登り始め、山頂まで2時間と少しの行程です。途中には、国宝にも指定されている「光明寺二王門」や樹齢2000年とも言われ、今なお生き続ける大栃の巨木を見学することもできます。

下山後にはもちろん、あやべ温泉でほっと一息。登山の汗を流すことができますよ!

HappyDuckさんの活動日記より/「綾部トレイル」君尾山にある光明寺二王門は国宝。創建は700年以上前と言われ、現存する二重門の中では、法隆寺中門、東大寺南大門に次ぐ国内3番目の古さ

めぐさんの活動日記より/君尾山にある大栃の巨木。樹齢2000年とも言われ、その内部は落雷によって空洞になっている

君尾山の登山道そばにある「あやべ温泉 二王館」は、温泉大浴槽、薬湯、露天風呂、サウナなどが充実。「あやべ温泉二王館」のWebサイトはこちらから

こうちゃんの活動日記より/5月の君尾山活動日記。光明寺二王門と合わせ、緑豊かな原生林や美しい花々を堪能することができる

君尾山の活動日記一覧はこちらから

「綾部トレイル」には、個性豊かな山が点在

「綾部トレイル」には「君尾山」の他にも、別名丹波富士とも呼ばれ、古来から修験道の霊峰として崇められてきた「弥仙山」や、裏八反の滝やブナの原生林が美しい「頭巾山」を始め、美しい山が数多くあります。しかもいずれも、京都市内から約1時間半、大阪からも約2時間という近さ。ゆっくりと自然の中で遊びたい時にはうってつけの山域です。

ポテ (potelongzz)さんの活動日記より/弥仙山の山容。丹波富士の別名が表すように、シンメトリーで美しい

soraさんの活動日記より/頭巾山の林道沿いにある裏八反の滝は参道尾根登山口から入り、南側のルートの林道沿いにある

弥仙山の活動日記一覧はこちらから

頭巾山の活動日記一覧はこちらから

登山と合わせて立ち寄りたい 綾部のシャガ・ミツマタ群生地

また、綾部エリアで最近注目を集めているのが、2015年に偶然発見されたアヤメに似た植物「シャガ」の群生地。綾部市在住の写真家さんが老富(おいとみ)地区の市茅野(いちがや)で偶然見つけたとのこと。これだけの群生地は全国でも稀だそうです。

4月下旬〜5月中旬が最盛期と言われているシャガの花

同じ老富地区には、可愛い黄色の花を咲かす「ミツマタ」があたり一面に咲き誇るスポットもあります。杉木立の間を黄金色に染め上げるミツマタの群生は圧巻の美しさ。

あたり一面を美しい黄色に染めるミツマタの花

シャガ・ミツマタの詳細情報はこちらから

出会ったことのない京都に触れる山旅に出かけてみませんか?

京都北部「京都縦貫トレイル」。そこには、千年の都として栄えた華やかな京都の街とは違った、私たちの知らない京都が広がっていました。ミステリアスな鬼の伝説、どこまでも広がる雲海や天橋立の絶景、手付かずの自然。

今まで出会ったことのない京都に出会う山旅、出かけるのはちょっと先になってしまうかもしれませんが、計画してはどうでしょうか?

大江山の酒呑童子伝説に関する特集記事はこちらから

京都縦貫トレイルのYAMAP公式アカウントはこちらから

企画協賛:京都府中丹広域振興局企画総務部企画振興室
トップ写真:Shirohさんの活動日記より

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