これからの登山文化をつくるメディア

YAMAPのつくりかた <第1回 開発スタッフ紹介>

はじめまして。株式会社ヤマップ開発チームです。このたび「YAMAPのつくりかた」というテーマで、我々開発チームのことをお伝えしていくことになりました。

登山を愛する方々からすると、我々の行っている「ソフトウェア開発」という作業は「登山」と対極に位置するものに見えるかもしれません。一般的に思われる「ソフトウェア開発」は、淡々と黙々と、パソコンに向かいながら遂行されるクールなプロセス。そういう一面があるのは事実です。ただ、実際の現場はかなり異なります。

どのような機能を作るべきなのか悩みに悩み、様々なトラブルや予想外の出来事に七転八倒しなら学び、チームで協力し合いトライ&エラーをしながらようやく1つの開発が終了する。

それは「登山」を行う際の厳しく楽しい、あの経験に似たものです。YAMAPは、そのような生身の人間の汗と鼓動、そして熱い感情に揺れ動かされながら作られています。この「連載」では、その様子をさまざまな観点でレポートし、ぜひ現場の鼓動をお伝えできればと思っています。ご期待ください!

YAMAP MAGAZINE 編集部

INDEX

アプリ開発チームのザックさん

ヤマップ開発チームでアプリの開発を担当している田渕です。通常、アプリの開発チームは裏側の見えないところにいて、スタッフの仕事内容は見えにくいものです。

今回はあえてその開発チームの1人にスポットライトを当てて、その仕事っぷりを紹介していきたいと思います。

最初にお断りしておくと、本記事は登山について全く触れられていません。絶景ポイントなど登山情報を楽しみにしていた方、すみません。

しかし、どうぞご安心ください。今回ご紹介するスタッフは、山頂の絶景に勝るとも劣らない「地上に舞い降りた、歩く絶景」と(主に私に)呼ばれている若きエンジニア。

心の準備はできていますでしょうか?


・・・同じヒト科ですか?

では、エンジニアのZack(ザック)さんについてお話しさせていただきます。どうぞしばしお付き合いください。

ザックさんのプロフィール

まずは簡単にザックさんについてご紹介します。

ザックさんの本名は、Zachery Charles Osborn さん。アメリカのジョージア州出身で年齢は29歳。日本語は勉強中で社内でのコミュニケーションは英語です。

趣味は万年筆とのこと。・・・趣味は万年筆?

詳しく聞いてみると万年筆の楽しみ方は2つ、「集めること」と「実際に使用すること」。確かに万年筆ってコレクション欲求が高まりそうな製品ですもんね。高価な万年筆は傷つけるのが怖くて見るだけの人も多いそうですが、ザックさんは実際に使用します。

使用する時は書き心地や音、更には筆記体など文字全体の美しさ(見た目の美しさ)やポエムなどの内容の美しさを楽しむそうです。

現在は4本の万年筆と30~40個の50mlのインクを保有しています。ちなみにPILOTさんが販売している色彩雫(いろしづく)というインクのシリーズがお気に入りで日本のインクは高品質だと絶賛していました。

仕事でも万年筆は使っているので、ザックさんにとって「書く時間=趣味の時間」なんですね。素敵。

他に好きなものはビデオゲーム。なんと言いますか、万年筆とのギャップがすごい。ジャンルは RPG ゲームがほとんどで、最近は「ゼノブレイド2」、「ゼルダの伝説」をプレイしたとのこと。RPG以外だとスマッシュブラザーズをプレイしています。一番好きなのは「ファイナルファンタジーXI」 。こちらはオンライン・ゲームで高校生の時にリアルの友達と一緒に何年もプレイしたからとのこと。

また、ザックさんはYAMAPというアウトドア・サービスに携わっているだけあってかなりのクライマーです。

子どもの頃から本格的にクライミングをしていたわけではなく、屋内のクライミングウォールで遊ぶ程度でした。ところがクライミングが人気の韓国に数年滞在したのがきっかけで、月に1,2度のペースで韓国のハイレベルな崖に本格的にチャレンジし始めたそう。

そりたった崖を命綱もつけずに己の身一つでスイスイ登っていきます。

涼しい顔をして身軽に崖を登ってどんどん見えなくなっていくのを下から眺めながら、くしくも同い年である私、田渕は思うのです。

「私とザックさんの共通点は年齢だけだな・・・」

ザックさんと YAMAP

ザックさんが YAMAP に入社したのは今年の1月です。

入社のきっかけを聞いたところ、元々プログラミングの知識ゼロから独学で2年間勉強し、得たスキルを生かして働きたいという気持ちが強くなったから、とのこと。アウトドアが好きなのでYAMAPだけでなく日本の内外問わず位置情報を使用したアウトドアサービスの会社に応募。弊社代表の春山さんと話をしてみて彼が本物のビジョンと情熱を持っていることを確信し、彼と彼の会社でなら一緒にインパクトのあるサービスを作れると思い入社を決意したとのことです。

現在ザックさんはスマートフォンのYAMAPアプリの開発を担当しています。最近、彼が担当した機能は皆さんも記憶に新しい「みまもり機能」。Androidアプリにみまもり機能を組み込んでくれました。

みまもり機能はBluetoothという無線規格を使用してすれ違った登山者と位置情報を交換する安心安全の機能です。開発中、来る日も来る日もザックさんはBluetoothの資料とにらめっこをして、スマホだと不安定になりがちな無線の動作をしっかりと安定させ気持ちよく使えるレベルで実現してくれました。

大変だった点を聞いたところ、Androidの端末はたくさんあり、それぞれの無線の能力に違いがあること。場合によっては、ある程度の能力がないスマホはみまもり機能を使用不可にする、といった判断をすることもあるのですが、ザックさんはどんなにBluetoothの能力が低い端末でもBluetoothにさえ対応していればみまもり機能が部分的にでも使用できるようにしてくれました。これってとてもすごいことなんです。

ちなみに開発者が読む資料は基本的に「英語」がほとんどです。ザックさんはそういった英語のドキュメントを当然ながらスラスラ読んで理解していけるので、YAMAP にとってとても大きなアドバンテージです。同じエンジニアとして純粋に羨ましい。

ザックさんの1日

それではザックさんの1日に密着してみましょう。

9:00 出社

素敵な笑顔でザックさんが出社します。席は私の隣。完全に個人の見解ですが、彼が隣に来てから「目の保養」で視力が良くなりました。

9:30 プルリクエストチェック

プルリクエストとは簡潔にいうとエンジニア同士で自分が行なった修正をチェックしあうことです。チームメンバーである私や他の同僚が行なった修正をザックさんがチェックします。詳細を知るためにじっくりチェックし、日本語のコメントなども意味を理解するよう努めているそうです。

10:30 チェックリストの確認・つぶしていく作業

前日までに終わらなかったタスクを書き留めておいて、それを 1 つずづ潰していく作業です。前述のみまもり機能のタスクやユーザーさんからいただいたお問い合わせの調査、もし不具合があればその修正などを行います。最近はCASIOさんのスマートウォッチ『SMART PRO TREK』シリーズで利用できるYAMAP ウォッチアプリの改善を行なっています。

スマートフォンのYAMAPアプリと同様にウォッチアプリでも国土地理院さんの地図を画面上に表示するのですが、地図の表示システムはスマートフォンとウォッチで違うものを使用していました。ザックさんは現在その違いをなくしスマートフォンのYAMAPアプリと同じシステムにするべく奮闘してくれています。

実はこの違いをなくすことで、地図のダウンロード時間の短縮や、地図の画像がガビガビになりにくくなる、などのメリットがあります。ただウォッチアプリの開発というのは一筋縄ではいきません。なぜならスマートフォンアプリの開発に比べて「圧倒的に資料が少ない」ためです。何らかの不具合や異常な挙動を目の当たりにした時、頼れるのは「メーカーの公式ドキュメント」や「他の同じ不具合にぶち当たった人が公開している解決策」が主です。

スマートフォンアプリの場合は、スマートフォンの利用者も多く、そして開発者も多いためそれらのドキュメントが充実しています。ところがウォッチアプリの場合は、スマートウォッチの利用者が少なく、開発者は更に少ないのが現状。なのでドキュメントがほとんど充実しておらず、不具合などの改修にかなりの時間と根気を要します。

ザックさんはそういった開発者泣かせな修正に対しても、不具合を1つずつ確実に潰しクオリティを高め、より使いやすいアプリへYAMAPを進化させていってくれています。

13:00 ランチ

ザックさんのお好みは会社から徒歩5分のナンカレー屋シャンティの「ほうれん草チキンカレーとチーズナンのセット」。お店で「いつもの」と頼むとこのセットが出てくるほどの常連です。お店までの徒歩移動の際も抜かりなく、YAMAPが正常に動作するかの検証も並行で行います。

14:00

ランチで行なった検証の確認や、チェックリストを潰していく作業を引き続き進めます。この日はYAMAPウォッチアプリによるウォッチのバッテリー消費への影響がどれほどのものか確認していました。実際にYAMAPを起動し記録を行ってみて、その間のバッテリーの消費が何%か確認します。そしてその内訳も確認し、位置情報の取得によるものか、画面の表示によるものか、それともスマートフォンとの通信によるものか、バッテリー消費が大きい処理がないか専用のツールを用いて調査していました。

18:00 チェックリストの作成

その日の振り返りと、明日の準備の時間です。明日やることを決めてメモしておきます。

18:30 退社

やりきった表情で退社するザックさん。帰ったら何するのと聞くと「プログラミングの勉強です」と答えてくれました。現状に満足せず挑戦を続ける背中を見送りながら私は思うのです。

(もし女性に産まれていたら、1日に4回惚れとるがな)と。

最後に

ザックさんに YAMAP ユーザーさんへの一言メッセージをお願いしました。「一緒に挑戦を続けましょう。登山でも。毎日の日常でも」。

インドアにもアウトドアにも精通し、仕事に対する熱い情熱と野心を持ち、高いコミュニケーション能力でみんなに人気ときて、挑戦を続けるイケメン。

というわけで今回の開発チーム紹介は「エンジニアのザックさん」でした。
ありがとうございました。

YAMAP MAGAZINE 編集部

YAMAP MAGAZINE 編集部

YAMAP MAGAZINEの編集部です。